電気設備とは?建物を支える電気設備の役割と管理ポイントを解説

電気設備室で制御盤を確認しながら点検作業を行う作業員のイメージ 設備管理

こんにちは!ミル・ビルです。

電気設備とは、建物の中で電気を安全に使うために設置されている設備のことです。

建物では、照明、コンセント、空調機、ポンプ、エレベーター、消防設備、通信機器など、さまざまな設備が電気によって動いています。

普段はスイッチを入れれば照明がつき、コンセントに差せば機器が使えます。

しかし、その裏側では、電気を受ける設備、分ける設備、守る設備、非常時に使う設備などが関係しています。

電気設備に異常があると、停電、漏電、火災、機器停止、利用者への影響につながる可能性があります。

そのため、建物管理や設備管理では、電気設備の状態を日常的に確認し、異常があれば早めに報告・対応することが大切です。

この記事では、電気設備とは何かを知りたい方に向けて、建物で使われる主な電気設備の種類、役割、点検時に見るポイント、注意点を初心者向けに整理します。

  • 電気設備とは何か
  • 建物で使われる主な電気設備
  • 電気設備の点検で見るポイント
  • 電気設備で起こりやすいトラブル
  • 建物管理で注意したいこと

電気設備とは?

電気設備とは、建物内で電気を安全に受け取り、分配し、使用するための設備です。

たとえば、受変電設備、分電盤、配線、照明設備、コンセント、非常用発電設備、蓄電池設備などが関係します。

建物の規模によって、電気設備の内容は変わります。

小さな建物では、分電盤や照明、コンセントが中心になることがあります。

一方で、オフィスビル、商業施設、学校、病院、工場、公共施設などでは、受変電設備や非常用電源設備が関係する場合もあります。

電気設備は、建物の中で多くの設備を動かすための土台です。

空調設備や給排水ポンプ、エレベーター、消防設備なども、電気がなければ正常に動きません。

そのため、建物管理では、電気設備を単独で見るだけでなく、他の設備を動かすために欠かせないものとして考える必要があります。

建物で使われる主な電気設備

建物の電気設備には、さまざまな種類があります。

ここでは、建物管理や設備管理で名前を聞くことが多いものを整理します。

設備名主な役割確認するポイント
受変電設備電力会社から受けた電気を建物で使える形にする警報、異音、異臭、表示、温度、清掃状態
分電盤建物内の各場所へ電気を分けるブレーカー、表示、発熱、異臭、扉の状態
照明設備室内や共用部を明るくする不点灯、ちらつき、器具の破損、非常照明
コンセント・配線電気機器へ電源を供給する破損、焦げ跡、抜けかけ、たこ足配線
非常用発電設備停電時に必要な設備へ電気を供給する燃料、起動確認、警報、点検記録
蓄電池設備停電時や非常時に電源を確保する劣化、警報、外観、交換時期、点検記録

すべての建物に上記の設備があるわけではありません。

建物の用途や規模、契約電力、設置設備によって、必要な電気設備は変わります。

建物管理では、まず自分の管理する建物にどのような電気設備があるのかを把握することが大切です。

受変電設備とは

受変電設備とは、電力会社から供給される電気を建物内で使えるように受け取り、必要な電圧に変えるための設備です。

大きな建物では、高い電圧で電気を受けて、建物内で使いやすい電圧に変える設備が設置されている場合があります。

受変電設備には、キュービクル、変圧器、遮断器、計器類、保護装置などが関係します。

ただし、受変電設備は危険を伴う設備です。

専門知識や資格が必要な作業も多いため、設備管理担当者が自己判断で内部を触るべきではありません。

日常的には、警報が出ていないか、異音や異臭がないか、表示に異常がないか、周囲に物が置かれていないかなどを確認します。

異常がある場合は、現場の手順に従い、管理会社、電気主任技術者、専門業者などへ報告することが大切です。

分電盤とは

分電盤とは、建物内の各場所へ電気を分けるための設備です。

照明、コンセント、空調機、ポンプ、機械設備などに電気を送るため、建物の中には複数の分電盤が設置されていることがあります。

分電盤にはブレーカーがあり、異常な電流が流れたときに電気を遮断する役割があります。

たとえば、テナントから「一部の照明がつかない」「コンセントが使えない」と連絡があった場合、分電盤のブレーカーが落ちていないかを確認することがあります。

ただし、ブレーカーが落ちた原因を確認せずに何度も入れ直すのは危険です。

機器の故障、漏電、過負荷などが原因になっている場合があります。

焦げ臭いにおい、異常な発熱、変色、異音がある場合は、無理に操作せず、専門業者へ確認する必要があります。

照明設備とは

照明設備とは、建物内外を明るくするための設備です。

事務室、廊下、階段、トイレ、駐車場、機械室、屋外通路など、建物のさまざまな場所に設置されています。

照明が切れていると、利用者が不便に感じるだけでなく、階段や通路では転倒リスクにつながることがあります。

また、非常用照明や誘導灯など、停電時や避難時に関係する設備もあります。

建物管理では、共用部の照明が切れていないか、ちらつきがないか、器具が破損していないかを確認します。

高所の照明や電気工事が必要な作業は、無理に対応せず、専門業者へ依頼することが大切です。

コンセント・配線で注意したいこと

コンセントや配線は、利用者にとって身近な電気設備です。

しかし、使い方によっては発熱や火災につながることがあります。

たとえば、たこ足配線、古い延長コード、コンセントの焦げ跡、差し込みのゆるみ、ほこりの蓄積などには注意が必要です。

建物管理の現場では、共用部や機械室、事務室などで、危険な配線状態がないかを確認することがあります。

コンセントまわりに焦げた跡がある、差し込むと熱い、異臭がする、火花が出たという場合は、そのまま使い続けないことが大切です。

利用者から相談を受けた場合は、無理に判断せず、管理会社や専門業者へ確認します。

非常用発電設備とは

非常用発電設備とは、停電時に必要な設備へ電気を供給するための設備です。

建物によっては、消防設備、排煙設備、非常用照明、エレベーターの一部、重要な機器などに関係する場合があります。

非常用発電設備は、普段は常に使う設備ではありません。

そのため、必要なときに動かなければ意味がありません。

建物管理では、専門業者による点検や試運転の立ち会い、燃料の確認、警報の確認、点検記録の保管などが関係することがあります。

発電機まわりに物を置かない、換気や排気の妨げになるものを置かない、燃料や点検記録を確認するなど、日常管理も大切です。

蓄電池設備とは

蓄電池設備とは、電気を蓄えておき、停電時や非常時に必要な設備へ電気を供給するための設備です。

非常用照明、火災報知設備、通信設備など、建物の安全に関係する設備で使われる場合があります。

蓄電池は年数がたつと劣化します。

劣化すると、停電時に必要な時間だけ電気を供給できない可能性があります。

建物管理では、点検記録、警報表示、交換時期、外観の異常などを確認します。

膨らみ、液漏れ、異臭、異常な発熱などがある場合は、自己判断で触らず、専門業者に確認することが大切です。

電気設備の点検で確認するポイント

電気設備の点検では、安全を優先しながら、異常の前兆を見つけることが大切です。

設備管理担当者がすべての電気作業を行うわけではありません。

日常的には、目で見る、音を聞く、においに気づく、表示を確認する、記録を残すといった確認が中心になります。

確認項目見るポイント注意点
異音うなり音、振動音、普段と違う音継続している場合は記録して報告する
異臭焦げ臭いにおい、樹脂が焼けるようなにおい火災や発熱の前兆になることがある
発熱盤や機器が異常に熱くないか素手で無理に触らない
表示警報ランプ、メーター、表示灯普段と違う表示がないか確認する
周囲の状態物品の放置、ほこり、水気、通路の確保設備の周囲をふさがない

電気設備では、焦げ臭いにおいや異常な発熱など、危険につながるサインがあります。

異常を見つけた場合は、無理に分解したり復旧したりせず、現場の手順に沿って報告することが大切です。

電気設備で起こりやすいトラブル

建物の電気設備では、さまざまなトラブルが起こることがあります。

ここでは、建物管理で問い合わせを受けやすい例を整理します。

トラブル考えられる内容建物管理で確認すること
照明がつかないランプ切れ、器具不良、ブレーカー、配線不良範囲、ブレーカー、器具の状態を確認する
コンセントが使えないブレーカー、機器不良、過負荷、漏電どの場所で使えないか確認する
ブレーカーが落ちる使いすぎ、機器の故障、漏電など何を使ったときに落ちたか確認する
停電が発生した建物内の異常、電力会社側の停電、設備故障範囲、警報、周辺状況を確認する
焦げ臭いにおいがする発熱、接触不良、機器不良など場所を特定し、使用を止めて報告する

電気トラブルでは、原因を決めつけないことが大切です。

たとえば、照明がつかない場合でも、単なるランプ切れとは限りません。

器具の故障、ブレーカー、配線、電源側の問題などが関係する場合があります。

安全が確認できない場合は、専門業者へ確認します。

電気設備と資格の関係

電気設備には、資格が関係する作業があります。

特に、電気工事に該当する作業は、資格が必要になる場合があります。

建物管理や設備管理の仕事では、第二種電気工事士、第三種電気主任技術者などの資格名を聞くことがあります。

資格名関係しやすい内容初心者向けの見方
第二種電気工事士一般用電気工作物などの電気工事に関係する資格設備管理で評価されやすい代表的な資格
第一種電気工事士より広い範囲の電気工事に関係する資格実務経験や現場内容によって関係する
第三種電気主任技術者自家用電気工作物の保安管理に関係する資格電気設備管理で評価されやすい難関資格

ただし、資格を持っているからといって、現場で何でも自由に作業してよいわけではありません。

会社のルール、契約内容、作業範囲、安全手順、法令上の扱いに従う必要があります。

また、資格制度や試験内容は変更される場合があります。

受験を考える場合は、必ず試験実施団体などの公式情報を確認してください。

建物管理で電気設備を見るときの注意点

建物管理で電気設備を見るときは、安全を最優先にする必要があります。

電気設備は、見た目では危険が分かりにくい場合があります。

少しの異常に見えても、感電、火災、停電につながる可能性があります。

特に、受変電設備、分電盤、配線、非常用発電設備、蓄電池設備などは、専門知識がないまま触ると危険です。

建物管理側で大切なのは、異常を見つけたときに無理に作業することではなく、状況を確認し、記録し、必要な相手へ報告することです。

  • 焦げ臭いにおいがあれば放置しない
  • 盤や機器の異常な発熱に注意する
  • ブレーカーを何度も入れ直さない
  • 水気のある場所で電気設備に触らない
  • 高所の照明交換を無理に行わない
  • 資格や専門知識が必要な作業は専門業者へ確認する

電気設備は、建物の中でも特に安全管理が重要な設備です。

不安がある場合は、自己判断で対応せず、現場の責任者や専門業者へ相談することが大切です。

電気設備とは?まとめ

電気設備とは、建物内で電気を安全に受け取り、分配し、使用するための設備です。

建物では、照明、コンセント、空調機、ポンプ、エレベーター、消防設備など、多くの設備が電気によって動いています。

主な電気設備には、受変電設備、分電盤、照明設備、コンセント、非常用発電設備、蓄電池設備などがあります。

電気設備に異常があると、停電、漏電、火災、設備停止、利用者への影響につながる可能性があります。

そのため、建物管理や設備管理では、異音、異臭、発熱、警報、表示、周囲の状態などを確認することが大切です。

ただし、電気設備は危険を伴います。

資格や専門知識が必要な作業もあるため、異常を見つけた場合は無理に触らず、現場の手順に従って報告し、必要に応じて専門業者へ確認してください。

電気設備の基本を知っておくと、建物管理や設備点検の仕事を理解しやすくなります。

まずは、建物の中でどの設備が電気で動いているのか、どこに分電盤や電気室があるのかを知るところから始めるとよいでしょう。